車椅子の坐位姿勢を考える!

 

「シーティング」と「フィッテイング」どう違う?

「シーティング」とはすごく簡単にいうと座位姿勢でのポジショ ニングです。

「フィッティング」とは適合であり、その車椅子を利用する人を中心として、 用具を身体的・環境的・目的的・社会的に最適化するプロセス。

フィッティングがうまくいっていない例

①「身体・心理的適合」がうまくいっていない

◦車椅子に座りたがらない…

◦「仙骨座り(すべり座り)」のまま…

◦前屈した状態のまま…

◦左に傾いたまま…

◦立ち上がりにくい…

◦駆動しにくい…

②「環境的適合」がうまくいっていない

◦車椅子が大きくて、屋内を移動できない…

◦テーブルの高さと合わない…

③「目的的適合」がうまくいっていない

◦食事(嚥下)ができない

◦休めない

◦姿勢は良いように見えるが、週に1回の通院  のために使用する車椅子なのに、重く、大き くて車載が大変…

④「社会的適合」がうまくいっていない

◦予算オーバー

◦好みのデザインでない

不良姿勢の影響

1呼吸機能の低下

円背は、座位において骨盤が後傾 し脊柱が屈曲しています。腹腔や胸腔が押しつぶされ た状態になっています。  健常な姿勢ならば、横隔膜が大きく下がっ て胸腔の肺に空気が吸気されると同時に胸隔が持ち上がり ます。ところが腹腔・胸腔が押しつぶされていると、まずは 横隔膜が内臓に突き上げられ吸気をおこす横隔膜下降の動 きが阻害されます。また胸腔も押しつぶされた姿勢のため 吸気に伴って胸隔が十分に広がりません。つまり横隔膜に よる腹式呼吸が抑制されてしまうのです。結果として、呼 吸は浅くて呼吸数の多い“浅薄呼吸”となってしまいます。

2自律神経への影響

不良により不安定な姿勢が続くと、緊張状態となります。もし、頸部のアライメント不良が起これば、たくさん神経経路に悪影響を起こします。アセチルコリンが低下しアドレナリンが上昇して、イライラし自律神経が失調する症状もおこります。

 3咀嚼嚥下への影響

頭頸部の突き出し姿勢のために、胸隔~舌骨下筋群~舌骨~舌骨 上筋群を介して、下顎が後方に引かれると、口が閉じにくくなります。下顎の動きが阻害され食べ物を咀嚼しにくくなると、嚥下時に前方に動く舌骨の動き が阻害されて、嚥下にも支障をきたすようになります。また、嚥下の瞬間には嚥下性無呼吸といっ て食べ物が気管に入りこまないように一瞬呼吸が止まりますが、円背姿勢においては浅薄呼吸状態になっていますから、嚥下の余裕が少なく、むせやすくなります。

シーティングにおける考え方(理論)

ASBモデル【アクティブ バランス シーティング】

骨盤で支持するという考え。

座骨結節(お尻の下の骨)をバックサポート(背中のシート)でコントロールして骨盤を立たせ姿勢と整える理論。

胸郭支持モデル

胸郭中心に考える理論。胸部をベルトを使って伸展(伸ばす)させることで姿勢を整える。

・モールド理論

立体構造によって安定させていく。

障害者の車椅子でよく使われる。

大切なことは

「適した(合った)用具」「適さない(合わない) 用具」という考え方重要。

使用する人が「どこで」「誰が」「何のために」車椅子を使いのかを考え、目的に合った考えて、車椅子選び姿勢を整えていくこと。

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