乳がんの理学療法

乳がんの理学療法とは!!

術後の痛み・肩関節機能の改善・リンパ浮腫の軽減・日常生活指導・精神的サポートなどが行われます

術後のリスク

○術後の痛みのケア

運動時や動作時に肩関節運動で述部が伸ばされ痛みが出る。

術直後から6カ月後までに、前胸部から腋窩(わき)、腕にかけてチクチクとした痛みが生じることがあります(乳房切除後疼痛症候群)。

○感覚の障害

腋窩(わき)リンパ節からの神経の接触(肋間神経)や神経自体の切除により、感覚が異常に過敏になったり神経が鈍くなったりすることがあります。個人差があります。

○肩関節運動障害

術後の疼痛や恐怖感から、肩関節の運動の低下がおこります。日常生活でも腕を上げることが難しく、着替えや整容(お化粧・髪のケア)に支障がでることもあります。

○リンパ浮腫

リンパ液の流れが悪くなり、うでのむくみが生じることがあります。術後1年以内に約70%の症例で発症しているとの報告があります。

このむくみの要因として、肥満、リンパ節の放射線、感染症などがあります。

また、術直後のむくみは大部分改善されますが、遅発性(術後少したってから)は治りにくいことが多いです。

むくみが発症するとリンパ液の流れが悪くなり、免疫力低下のため虫に刺されやすく、小さな傷から細菌が侵入しで皮膚病を合併します。

リンパ浮腫は腕全体がむくむため、美容上の問題や重みで腕が使えない、細かい動作ができないなどの問題も生じます。

乳がんの理学療法の具体例

1肩関節可動域の練習

術後5~7日より積極的な肩関節の練習を開始することが、その後の経過に良いとされています(がんのリハビリテーションガイドラインより)。

2リンパ浮腫の治療

術後早期からの生活指導、肩関節運動、軽度の運動は浮腫の発生を軽減させます(がんのリハビリテーションガイドラインより)。

スキンケアはリンパ浮腫の発生と悪化を予防させるため、重要です。

・皮膚の清潔を保つ

・皮膚の乾燥を防ぐ

・皮膚を傷つけない

外傷に気を付けることは勿論、料理・アイロンの使用時にやけどをしないようにする。直射日光をさけるなど日焼け対策をする。

また、日常生活においてさまざまな部分で注意する必要があります。

・医療機関での処置の際に術側での血圧測定は避ける

・食事・体重の管理

・身体に負担をかけすぎない…疲れやむくみを感じるときは、腕を高くして休む。

・衣類・装飾品の選び方…締め付けがきついものは避ける。ブレスレット・きつい指輪や時計は避ける。

まとめ

乳がんは、30歳代から40歳代の比較的若い年齢で発症し、女性の多くは仕事や家庭を持っています。

仕事をしなから家事を行いながら治療を行っている方も多いはず。

しかし、乳がんの理学療法はまメジャーな疾患としては知られていません。

リンパ浮腫に対しては動かして良いのか悪いのか戸惑う方もたくさんいると思います。

また、マッサージ方法もまだまだ普及していませんが、今後広く必要とされるケアです。

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です