むくみ(浮腫)と腫脹
目次
浮腫(むくみ)とは水分がうまく流れず溜まってしまった状態
体は常に血液を循環させ、細胞へ栄養などを送っています。
細胞へ栄養などを供給しますが、不要となった水分は細胞の中からリンパ管や静脈を通って体内へ再び戻ってきます。
正常では水分が溜まることなくリンパ管や静脈へ流れますが、これがうまく流れず溜まってしまった状態です。
浮腫の特徴は、むくんでいる部分を指で圧迫し手を話すと指のあとが残ります。
浮腫の局所性と全身性
局所性の浮腫は、浮腫の部位が特定されます。
例えば、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などは、炎症をおこしている部位にだけ見られ、炎症性の浮腫を生じています。
脳卒中で片麻痺の症状を生じた場合、麻痺側の上下肢は、活動性の低下や血管透過性の亢進からくる浮腫が生じます。
また、リンパ管閉塞や静脈閉塞では、閉塞箇所より末梢の部位に浮腫が生じます。
全身性の浮腫は、
心不全(重力も絡んできて、一般的には体の低い部分の浮腫)や、肺水腫・腎不全・薬剤性の浮腫(毛細血管圧の上昇があるもの)など、
甲状腺機能低下症・肝硬変(低アルブミン血症となるもの) などいろいろあります。
循環障害が問題で浮腫が出現しているケースでは、
運動を行い筋ポンプの働きを促します。また、よく行われている対症療法が、
患肢の挙上です。重力を利用して排水を促すものです。
腫脹とは炎症症状の一つ
運動負荷量に注意しないとさらに悪化する恐れがあります。
これに対し、腫脹は指で圧迫してもあとが残ったりはしません。
リハビリの注意
リハビリでは、深部静脈血栓症だけは気を付けないといけません。
急速に発生した片側性の浮腫、発赤、下腿周囲径で左右差が3cm以上あるなどの場合は、安易にマッサージや可動域訓練などを行ってはいけません。
「深部静脈血栓症」 と「肺血栓塞栓症」 (静脈血栓塞栓症)とは
おもに下肢や肺の血管に 血のかたまりができ、血管がつまってしまう病気です。
○肺血栓塞栓症のおもな症状
・胸が苦しい、冷汗が出る、動悸・失神、胸が苦しい、熱が出るなど
○深部静脈血栓症の症状
・下肢の腫れや痛み、下肢の発赤、浮腫、表面の静 脈の拡張など
深部静脈血栓症の診断
ホーマンス徴候やローウェンベルグ徴候などの症状を示すことがあります。
詳しい検査では下肢のエコー(超音波)検査や CT 撮影、MRI 撮影 などが行われます。
また、静脈血栓塞栓症のスクリーニングにD-ダイマーという血液 検査が行われることがあります。
この症状を招かないために
足の筋肉をよく動かすようにします。特に、ふくらはぎを毎日動かすようにしましょう。また、意識のないときや麻痺のある際は、ベット上で足を心臓より上の高さに挙げておくことやマッサージ なども行います。